人生の織物
その3
小学生、中学生、高校生と子供を育てる過程でもそれぞれである。順調に育っている家庭でも大なり小なり親の苦労はつきまとう。側からは良いお子さんですねといわれ、親は胸を張って授業参観に行き、運動会や学芸会を観に行き、晴れ晴れとした顔をして子供の姿を応援し、舞台で披露する姿を見て感激し涙を流す場合だってある。そんなときは親だけでなく、爺婆こぞって観に行き大はしゃぎするのだ。
子供が居ると居ないとでは様々なことが全く別な人生を送ることになる。たしかに巧く行ったときは晴れがましいきもちを味わうことができるし、大人になった子供に力強さを感じるものではある。
子供が居ない場合と居る場合を天秤にかければ、錘はどちらにも傾かないというのが人の一生だ。天はすべての人に同じ幸せと苦労や寂しさを与えている。
従ってすべての者は自分だけが苦労を背負っていると感じることもないし、天狗になることもない。人間は平等に作られていることを忘れてはならない。