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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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あれから12年―3

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〈どんな映画なんだろう?〉と不安だったが、よかった。
もたいまさこ演ずる「ばあちゃん」が娘の葬式のためにカナダに行くのだが、トイレから出て来る度に「深いため息」をつく。
孫たちが〈どうしてなのか?〉と訝る。

 カナダには「ウォッシュレット」がなかった。
それで「ばあちゃん」は日本にいるときのように、お通じがなかったらしい。
ウォッシュレットは、日本の専売特許のようだ。
映画の後半で言っていたが、
「日本のテクノロジーの粋を集めた世界に冠たるトイレ」なのだ。

 なんだか、「福島の原発の不具合なんか、『ウォッシュレット』を開発した日本人なら、絶対克服できるぞ、がんばれ」
と言っているように思えた。(いまだに原発問題が解決されていないのは残念だ)
『かもめ食堂』と並んで良い出来だと思った。

 私は、気持ちいい涙を流して、再び練習場に行った。
隣の打席は若い女性だった。
女性なのに、すごいドライバーショットを連発していた。
私はすっかり、圧倒されて帰宅した。
女性の映画監督はいいが、私より上手い女性ゴルファーは困る。
作品名:あれから12年―3 作家名:ヤブ田玄白