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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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あれから12年―2

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 翌日は電車が止まったので、久しぶりに車で出かけた。
けっこう遠かった。
ガソリンは半分しか残ってない。
病院に近づくと、すごい渋滞になった。
〈事故か?〉と、一時間ぐらいノロノロ運転してゆくと、給油のためガソリンスタンドに向かう車の列だった。

〈スタンドだ。助かった!〉と思って、後をついていった。
あと一〇台ぐらいに進んだ時、スタンドのおにいさんが出てきて、しきりに客に頭を下げている。
ガソリンが終わったらしい。
渋滞は解消したが、ガソリンは手に入らなかった。

 夜は病院に泊まった。
仕事が遅くまでかかって、いつもの店に電話したが、「計画停電」のため、出前はおしまいとのことだった。
コンビニに走った。
おにぎりは売り切れていた。カップラーメンもなかった。

 私はまたも途方に暮れた。
あの頃、途方に暮れることが異常に多かった。
過去の人生で途方に暮れた分を合わせると、生きている限り、これから先は途方に暮れることはないだろう、と予測されたほどである。
作品名:あれから12年―2 作家名:ヤブ田玄白