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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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池の外の惨めな鯉

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「ボク興味あるよ」
「けっ! あんなのどこがいいんだ。汗臭っせい防具被って、竹棒で殴り合い。だっせぇな」
「でも、武道をしてる女の人って、かっこいいじゃない」
「剣道なんて武道じゃないだろ。本物の刀で戦ってみろってんだ。死にたくないから、あんな防具でガッチガチに身を守った状態で、棒を振り回すだけなんだ。それのどこが武道だよ。防具なしじゃ戦えない剣道は、弱者のスポーツなんだ。それを思い知ればいいんだ」
「君、それ言い過ぎだよ」
「そうか? お前だって鯉がキモイだとか、カラスの態度が嫌いとか言ってたじゃないか」
「それもそうか。でもそれとこれとじゃ、話のレベルが違う気がするけど」
「どっちでもいいわ。それより明日うちに遊びに来いよ」
「え? 伊織君の家に?」