三者三様のタイムスリップ
「実は私はあなたといちかの間に生まれた子供なのよ」
というではないか。
「私だって、未来から来たのよ。お父さんとお母さんがどのようにして私を生んだのかを知りたくてね。ちょうどそんな時に、タイムマシンが故障して、本来であれば壊してはいけない世界を壊してしまいそうになったの。でも、何とか内輪だけのことで収められてよかった。もしこれが他の人にも影響を及ぼせば、私もただではすまなかったでしょうね。でも、これだって、私に歴史が何かをさせたかったのだから、私が罰を受けるというのはおかしい。だから、身内だけでしか、このようなおかしな捻じれた歴史はできなかったのよ」
と、続けたのだった。
それを聞いて、年を取った隼人は愕然とし、しばらく何も話ができなくなってしまったのだった……。
( 完 )
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作品名:三者三様のタイムスリップ 作家名:森本晃次