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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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床屋に行った

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 今日も「白髪ぼかし」だ。
ヘアマニキュアのようなものだろう。
昔からの「白髪染め」と違って、染料を使わない。
マイルドに、白髪隠しをする新しい方法だ。
髪の毛に、練った黒いモノを塗りつけて、サランラップで包み(電子レンジには入れず)、一五分ぐらい放っておく。

 私がなぜ毎回これをやるかというと、
床屋の壁に、「白髪ぼかし」のポスターが貼ってあって、それには、
「これで、5歳若返る」と書かれていたからだ。
二カ月おきに5歳ずつ若返っているから、今ごろは相当若くなっているはずだが、あまり変わらない。

 髪の毛は何とかなっているが、私には別の悩みがある。

 以前、趣味のフルートでオーケストラに入っていた。
ある時、演奏会を聴きに来た看護師さんの卵が、感想を話してくれた。
それは思いもかけない感想だった。

「先生は眉毛が薄いですネ」というものだった。
演奏会はよほどつまらなかったのだろう。
彼女はステージに近い席で、私の顔がよく見えたらしい。
肝心の演奏は、うるさ過ぎて何の曲だか分からなかったようだ。
作品名:床屋に行った 作家名:ヤブ田玄白