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静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑦能登半島(福井県)

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■白川郷をのんびりと散策(8月13日)
 4日目の早朝、妻はまだ眠っている。バンクベッドからダイネットのソファーに下りてからは、キャンピングカーが揺れて妻が起きないように、夫は静かに外に出た。
 道の駅の裏の七尾南湾に面している公園を散歩した。夜は雨が降ったようで、水溜りが点在している。それでも朝の散歩をしている地元のご老人たちがいた。キャンピングカーに戻って、コーヒーを淹れていると妻が「私にも」と。今、目覚めたようだ。朝陽で西の空に虹が出ていることを妻に伝えた。美しい虹だった。
 旅の最終日の今日の天気予報は「雨ときどき曇り」。

 キャンピングカーの中で軽い朝食を取った後、能越自動車道(R470)で道の駅「氷見(ひみ)」に向かった。その途中、雨が降り出した。車窓から時々、雨に煙る富山湾が見えた。
 道の駅に到着した時は土砂降りで、入口に近い場所にキャンピングカーを停めた。それでも、道の駅の建物の屋根までの数メートルで、かなり濡れてしまった。
 ここには様々な店があり、鮮魚コーナーは特に素晴らしかった。店内を見て回った後、雨が小降りになった時に、近くの展望台に上った。晴れていたら、富山湾越しに立山連峰が見えたのだろう。再来する理由がまた増えてしまった。
 昼食にはまだまだ時間があったが、麺類の好きな夫は、せっかくなのでと、名物の「氷見うどん」を食べた。
 最後に、足湯があったので、少し熱めの湯温だったが足を浸けて、今からの走行ルートを考えた。

 能越(のうえつ)自動車道の無料区間から入り南下すると、北陸自動車道との分岐点を通過、更に南下を続けると、東海北陸自動車道に入った。次第に標高が上がってゆくと、正面の飛騨の山々は雨雲で霞んでいた。目指すは白川郷の「合掌造り」。最寄りの白川郷ICから下りて駐車場に入った時、運良く、雨が降り止んだ。
 念のため、折り畳み傘を持って、庄川に架かるつり橋の「であい橋」を渡り終えたところから、合掌造りの古い家が立ち並ぶ集落に入っていった。湧水も田んぼも、そして民芸品のどこもかしこもノスタルジーを感じる。妻が食べたいという「五平餅」を食べながら、「キャンピングカーの旅」の最後の地がそうさせたのか、ゆっくりと、ゆったりと、妻と夫の二人の時間が流れていった。
 キャンピングカーに戻って、少し走ると展望台に到着。そこからは、白川郷の全景が見下ろせる素晴らしいポイントだった。周囲の山には低い雲が垂れ込み、幻想的な景色も見ることができた。そして、先ほど歩いた足跡を二人で追いながら、旅の終わりを味わった。

 東海北陸自動車道に戻り、ひるがの高原あたり分水嶺(標高975m)を超えた南側には幾つものスキー場があり、数年前までは家族や友人と行ったねと妻、家族の思い出話が始まった。
 美濃関JCTから東海環状自動車道に入り、豊田東JCTから新東名、そして浜松いなさJCTから接続道路を走って東名へ。自宅への帰路、標識で「浜松」の二文字を見ると、帰ってきたなあとの思いがしてくる。そして、車窓風景は見慣れた風景になり、やがて自宅に到着。

 3泊4日の「キャンピングカーの旅」が無事に終わった後、「また行きたいね」と妻、夫も同じ気持ちになっていた。

 能登半島には、“美味い”食べ物があり、“静かで風光明媚な”場所が多く、“暖かい”人がいて、“ゆったり”とできる温泉があり、一度の旅では時間が足らない。また行かねば。丼が待っている。