ちょっと高すぎたのではないか
それからトラブルが始まった。
バカされたのかもしれない。私は、猫はかわいがっているが、狐に付き合いはなかった。
反省すべきことは、続いた。
次のホール。
四人の中で一番短気なUさんがトラブルを起こした。
前の組のスロープレーにいら立って、ティーショットを早く打ってしまった。
ボールは、前の組の女性の足元まで飛んだ。
いつもは、そこまで飛ぶことはないが、その時に限っていい当たりだった。
ほんとうに危なかった。
しかし、その場は何ごともなかった。
そして午後。
Uさんは焼酎を飲み過ぎたらしい。
前半のトラブルを忘れて、また打ち込んでしまった。
今度こそ若い女性がやって来た。
「あなたたち、午前中も打ち込んで、またでしょ。どうしてくれるの!」
〈どうしたらいいのだろう? いくらか出さなければならないのだろうか? 四人で割るのだろうか? それともUさんが全額出してくれるのだろうか?〉
四人は、平身低頭で謝った。
Uさんも事の重大さに気付いたらしく、いつもと違って言葉少なだった。
しかし、何とかわかってくれたらしく、許してくれた。
○○組や△△会の関係者でなくてよかった。そういう面倒な人たちだったら、私たちは歩いて帰れなかっただろう。
作品名:ちょっと高すぎたのではないか 作家名:ヤブ田玄白