ちょっと高すぎたのではないか
反省すべきことはさらにあった。
家に帰ると、財布がなかった。
〈Oさんの車の中かもしれない。ズボンの後ポケットから落ちたのだろう〉
私はOさんの家に走った。
「Oさーん、私の財布、車の中にありませんでしたか?」
Oさんは笑っていた。
「これでしょ。センセイ」
「アアよかった。ありがとう」
「センセイ、お金は大事にしなきゃいけないよ」
「ほんと、すいません。助かりました」
「記念に一割もらっといたけど、いいよね」
「エッ、そんな・・・。勘弁して下さいよ」〈Oさんならやりかねない〉
「じょうだん、じょうだんだってば」Oさんは慌てて否定した。
Oさんが悪い人でなくてよかった。もし返してくれなかったら、警察に電話しようと思った。
反省すべきことが、これほど多いゴルフは珍しかった。
あのゴルフ場へは今後行かない事にする。
狐のいないゴルフ場を探そう。
作品名:ちょっと高すぎたのではないか 作家名:ヤブ田玄白