悠々日和キャンピングカーの旅:⑥びわ湖一周の旅(滋賀県)
■旅の3日目(6月10日)琵琶湖大橋→旧友と再会→メタセコイア→木之本(湖北)
軽い朝食を食べた後、勤務先の元同僚との待ち合わせ時刻までは時間があったので、湖岸のどこかで、昨日の旅のメモをPCに入力することにした。
西近江路(R161)を北上していると、和迩浜(わにはま)の標識が見え、そこから湖側に向かった。直ぐに湖が見え、「水泳場へ」の看板に従って、道なりに進むと道幅が狭くなり、路地に入って行くようだった。対向車が来ないことを祈りながら進むと、湖側には民宿兼海の家のような佇まいの家が続いた。その先で、和迩川の河口にたどり着き、広い駐車場にキャンピングカーを停めた。
さざ波が打ち寄せる小さな石ころの湖岸には、何人もの釣り人が糸を垂らしていた。ここはバス釣りのポイントのようだ。その静かな景色を見ながらコーヒーを飲んでいると、パソコンのスイッチを入れる気が失せてしまい、小一時間ほど、びわ湖の静かで広い風景を見ながら、まったりとしてしまった。
琵琶湖大橋を再び渡り、湖東の草津市内の元同僚が経営しているマンションに到着、彼が私を待ってくれていた。
彼と最初に交わした「久し振り」の一言で、この数年のブランクが吹っ飛んでしまったのは、何とも不思議だった。
先ずは彼を、キャンピングカーに招待した。エントランスから入ってもらい、ダイネット内をあれこれ説明すると、生活に必要なものがほぼ全部揃っていることに感心していた。彼は今、マンションの経営者兼管理者のため、気ままな「キャンピングカーの旅」ができる私を少し羨ましく思ったようだった。
彼は今、そのマンションの一室に住んでいて、別の一室が彼の「別荘」だ。その別荘に案内され、最高のおもてなしが始まった。
最初はテーブルで、喫茶店のメニューにあるようなアップルパイとコーヒー、次にキッチンに面したカウンターに席を移し、本格的な和食処のように、揚げたての天婦羅が次々に提供された。
途中から彼は“和食処の主人”のような服装に着替え、雰囲気はもう最高、最高、最&高。積もる話は尽きなかった。最後はデザートで締め括られたフルコースのおもてなしだった。
「急がば回れ」の語源を、その地元の彼が教えてくれた。
当時、京都へ向かう際の草津宿から次の大津宿へは、矢橋からびわ湖を横断する「水路(矢橋の渡し船)」と瀬田の唐橋経由の「陸路」の二通りの行き方があった。水路は陸路よりも近くて速いのだが、比叡山から吹き下ろす突風(比叡おろし)で危険だったため、急ぐときは、確実にたどり着ける方を選択するのが良いという格言だ。
最後に、二科展に入選するほどの写真撮影の腕前を持つ彼に、私が撮ったパラモーターの幾つかの写真を見てもらい、鋭いアドバイスを頂いた。嬉しくて、勉強になった。全てにサンクス。
別れ際に彼は、びわ湖の湖西を北上する私に、一度は行くべき観光スポットとして、「メタセコイア並木道」を教えてくれた。メタセコイアとはどんなものか、セコイアというからには、大きな木なのだろうと思うくらいで、さほど期待はしなかったが、でも、行くことにした。
作品名:悠々日和キャンピングカーの旅:⑥びわ湖一周の旅(滋賀県) 作家名:静岡のとみちゃん