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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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62話 体調不良の理由






こんばんは、五樹です。僕は先程目覚めました。眠って目が覚めた時から、僕でした。


では、ここ数日の時子の落ち込みについて、理由を話してみましょう。


女性には、月に一度の付き物があります。月のものと呼ばれたりしますね。


最近、“PMS”という言葉を聞いた事がおありでしょうか。日本語では“月経前症候群”と言って、生理前の3〜10日前に、女性が心身に様々な不快を訴え、原因はその時期に起こるホルモンバランスの変化とされていますが、決定的に理由のはっきりした物ではないそうです。

精神的な落ち込みが激しい場合、“月経前不快気分障害”とされるそうで、時子はもしかしたら、そちらかもしれません。


彼女は生理前になると、抑うつ症状や、気分の落ち込みを表し、頻りに「死にたい」と繰り返します。周囲が慰めても、それは治りません。

その事について、僕は時子の叔母に相談をしてみましたが、やはり婦人科に行くのが一番良いようです。

ですが時子は、周囲から「PMSかもね」と言われてからも、「これ以上病院の予定を増やすのは嫌」と言って、なかなか病院に行ってくれません。


今回も、そろそろ生理が近いなとなってから、時子は頭のぼーっとする感じと倦怠感に悩まされ、落ち込みの酷い日に「死にたい」と繰り返してから、翌日は一日中眠って、睡眠の合間で4回の食事をしました。体がのぼせる感じにも悩まされていたようです。

これはあまり見過ごす事は出来ないので、その内時子を説得して、医者に行かなければいけません。


ところで、医者と言えば、で合っているのか分かりませんが、新しいカウンセラーが見つかりました。

亡くなった前のカウンセラーと同じ方法を使って施術を行っているカウンセラーで、聞く所によると、前のカウンセラーにカウンセリングの技術を学んだ心理士らしいです。場所もさほど遠くないので、きっと通えるでしょう。

カウンセリングは、カウンセラーとクライアントの相性も大事なので、それは行ってみてから判断する事になると思います。馴染んでくれるといいのですが…。


それでは、今回は短く、この辺で失礼します。お読み下さる方へ、有難うございます。また読みに来て頂けると嬉しいです。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎