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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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54話 あぶないよ






五樹です、おはようございます。


僕が目を覚ましたのはたった今ですが、時子は確か夜11時頃に目覚めたのだったと思います。

相変わらず、苦痛が続いていく日々に耐え兼ね、時子は眠る薬を早くに飲んでしまいます。だから起きるのは夜中になる。


その後、久しぶりに元気が出たのか、音楽を聴き始め、それで楽しくなって、時子はお酒を少し飲んでいました。

それで済めば良かったのですが、彼女はあろう事か、この寒い夜に、大して厚着もせずに、1時間を超えるウォーキングに出掛けてしまいました。


ローカル線で2駅離れたコンビニ目指して歩く。時子は以前からそれをする事がありました。一時期は毎晩それをしていた位、時子は歩くのが好きです。

なぜ深夜になるのかというと、日中は別の歩行者や自転車に乗った人が居て、彼らが恐ろしくて歩いていられないから。かなり重度の人間恐怖を抱えた時子にとっては、人の目に入るのがもう苦痛で出来ないのです。


そんなこんなで時子は3時頃に帰ってきました。ここの所はほとんど体を動かさず、家からも出ていなかったので、くたびれ切って時子は眠ってしまいました。

僕は今空腹で堪らないのですが、せっかく時子が運動をしてきたので、布団で疲れを癒してから、お腹を黙らせるため、コーラでも飲もうと思います。


ところで、僕はちょっと時子が心配です。

彼女がやっているのは、「真夜中に女性が一人きりで外出する」という行為です。これは危ない事だと思います。

時子には、自分は暴力に抗う力の弱い女性なのだという事を、もう少し自覚して欲しいです。何も真夜中に家を出なくてもいいでしょう。

とは言え、日中の外出は彼女に直接の苦痛を与える事が決まってしまっているので、そっちにしろとはなかなか言い難いです…。

「やめろ」と言うか言うまいか悩みますが、僕が心配している事は知っておいて欲しいです。


今回は短く、ここで終わりにしたいと思います。日記のようになりましたね。お読み下さり有難うございました。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎