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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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43話 混乱






こんばんは、五樹です。


僕と時子の関係は、一旦の決裂をしました。修復されるかは分かりません。

昨日、僕は時子に頭の中で話し掛け続け、自分の希望を無理に彼女に押し付けようとしました。

その結果、今日になって時子は、夫にこう言っていました。

「五樹さんが出てこないようにするには、どうしたらいいんだろう。もう居て欲しくないよ…」

そう言われて文句を言えない位には、酷い事をしました。それは言い訳しません。

ただ、内容は彼女のプライベートの中でも最も繊細な事に関わるので、ここには書けません。

僕は言い訳をしません。自分が悪かったのは分かっています。

でも、今日も時子は空腹を放置していたので、僕に交代して、僕が食事をしました。その時僕は、初めに生まれた通りの「五樹」に戻る気になったのです。

「役に立つ五樹さん」。時子から、まだそう思ってもらえなかった時にも、僕は彼女の代わりに食事をしたり、家事をしたりしました。初めから、時子の気持ちは関係無かったのです。

途中からは、僕は彼女に喜んでもらえる事が嬉しくて、見返りを求めていたかもしれません。それが良くなかったのです。

これからも僕は、緊急避難として時子が心中に籠る時、表に出て生活を続けようと思います。その役割が奪われていなければ、僕の存在意義は果たされます。


今回は短く、ここまでで失礼します。お読み下さり有難うございました。また次のお話で会えると嬉しいです。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎