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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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32話 平穏な日






こんにちは、五樹です。もしくはこんばんは。おはようございます。

今回は、昨日から今日までの生活の話をしましょう。僕と彼女がいつ交代したのかは、少しややこしい話になります。


昨日僕は、時子が眠っている間に、喫茶店まで夫君に車で送ってもらって、歩いて家に帰りました。

家に帰って時子が目覚めてからは、外出していた事を夫君に電話で聞かされ、「家で眠って家で目覚めたら、出掛けた事を知らされても、何も実感が無い」と彼女は途方に暮れていました。


それから、昨日の就寝は夜7時過ぎで、その時、時子は精神症状のものと思しき過食をしていました。

その後4時間半程で夜12時に時子は目を覚まし、朝になってから、食事と入浴をして、もう一度眠りました。目が覚めたのは、午前10時半です。


時子が夜中に目を覚ました時、再度の入眠が出来なかったのが辛かったらしく、途中から僕に交代しました。僕は4時間程眠ればそこそこ満足していますし、活動出来ますから。

僕は、寝る前の過食を時子が気にしていたのを知っていたので、スクワットをして、エアロバイクも30分漕ぎました。シャワーで汗も流して。

その後、時子が3時頃に目を覚まして時は、「凄く疲れてる。何をしたの?」と不審がられましたが。


時子は、10時半に目覚めて昼食を軽く取ったら、スマホにかかり切りでした。

乾燥機が止まったので、洗濯物を畳もうと立ち上がった時、そんな体力がなくて気力が折れてしまったようです。彼女は立ったまま僕と交代しました。


それからもう一つ、僕はずっと思っていた事を昨日から実行しています。それは“歯磨き”です。


時子はPTSDですが、同時に双極性障害です。

双極性障害はもう安定期ですが、この病気は、うつ状態があるのに、抗うつ薬の使用が出来ません。

“躁”と“鬱”の、大きく上下する波がある病気なので、うつ状態であっても、抗うつ薬を飲むと、一気に躁状態に傾いてしまうのです。

時子はいつも感情安定薬だけを飲み、軽度のうつ状態が続いていました。

うつ状態になると、人は歯磨きも入浴も出来なくなります。時子は歯磨きをたまにしかしていなかったのです。

日に一度は僕は表に出てこられるので、入浴や食事に加えて、歯磨きもする事にしました。実は僕もちょっと面倒で省いていたのですが、それではいけないだろうなと、思い直しました。


そして今さっき、体力が途切れてしまった時子と交代しましたが、僕は今、空腹に悩まされています。

なぜか今日の時子は食事量が少な過ぎて、食パン1枚と牛乳1杯位の食事を2回食べただけです。

でも、今は夕方4時なので、あと1時間なんとか我慢して、しっかり食事をしたいと思っています。


いつもお付き合い頂き、有難うございます。今日は割と平穏な話になりました。しばらくは僕以外の人格達も出てきていませんね。時子の状態も落ち着いているようです。

お読み下さいまして、有難うございました。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎