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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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27話 散歩






こんばんは、もしくはおはようございます、五樹です。今晩は布団の中でこれを書いています。


今朝、時子は近所の喫茶店まで歩いて行って、運動をしました。

近所とは言っても、徒歩で時子の足なら40分は掛かります。この辺りは田舎なので、店のある間隔はとても長いのです。


前回の話で「体を動かさないと」と提案をした事は話しましたが、それはあっという間に功を奏しました。

まずは昨日、夫君が付き添っての、コンビニまでの散歩を一度。それから、今朝になって、もう時子は前のように長い距離を歩きたがったのです。

そんなに上手くいくとは思いませんでしたが、元々は努力家で活発な時子なので、無理をしている訳ではないと思います。

でも、「明日も喫茶店行って、朝のエスプレッソ飲む!」と息巻いていましたが、それはやめさせたいです。

長距離を急に毎日歩くのは、体への負担が大き過ぎます。それに、今日はまだ4時間しか眠っていません。そんな状態じゃ、健康な人だって40分も歩くのは嫌がるでしょう。


それで、運動を一度だけした効果はと言いますと、まず、血糖値があっという間に正常になりました。

「六人の住人」で話しましたが、時子は糖尿病を持っています。そして、血糖値が高い時には、体に強い倦怠感が表れ、起き上がるのも苦痛な程になります。それもあって、僕は「歩いたら」と言ったのです。

それから彼女は、前に興味を持って取り組んでいた小説執筆を、再開したいと話し始めました。

それに、今日の時子は元気が良さそうで、素直に夫の前ではしゃいでいました。


体を動かすに従って、心も軽やかになっていく。これはどうやら、不変の原理のようです。


でも、あまり無理はせず、睡眠時間が足りていて、気力のある時だけでいいから、段々と習慣に出来ると良いなと思います。

時子は努力家ですが、自分が無理をしている事に気付かない努力家です。過去に、無理のある努力をしなければ許されなかったから。

“また過去の話?”と呆れる方がいらっしゃるかもしれません。そうです、過去の話です。でもその過去は、時子の現在をまだ支配しています。

慎重に見ておいて、無茶を始めたら僕が止めなければと感じています。

例えば、身体が辛いのに無理をして出掛けようとした時など、僕が出てきて中断し、布団に戻ったり出来ればいいのですが。事はそう上手くは運びません。


ところで、血糖値が正常という事で、現在僕は強い空腹感を感じています。これは、食べてはならないのでしょうか。ちょっと苦しいのですが…。


それでは、本日もお読み下さり有難うございました。今日は良い報告が出来て良かったです。また見に来てくれると嬉しいです。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎