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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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125話 洗脳のように






こんばんは、五樹です。間髪入れずにの投稿ですみません。慌ただしいですよね(笑)


さて、今晩はもう睡眠導入剤も飲んだし、数行にしたいと思います。


時子は小説の更新を今日して、しばらくは昔に僕「五樹」が書いた話を読み返して、あんな事も、こんな事もあったなぁと振り返っていました。そこには、僕がずっと時子の世話をしていた記録が書かれています。

あまり自分の話を美化したくはないのですが、事実をありのまま書いても、僕が時子を思いやり、愛し、世話をしていたのは書いてあります。それをずっと読み返していたからでしょうか。

彼女は今僕を呼び出す時、「私達は愛し合うべきかもね」と心中で口にしました。

“無茶言うなよ、君にはもう子供もあるんじゃないか”

僕はそう返しました。すると、事も無げに時子はこう言ってしまったのです。

“場合が場合だし、色んな愛の形があって当然じゃない?”

そう言われると、都合良く愛されたがる希望を持つ僕としては、それに甘えたくなってしまいます。

この事をどうするかは僕にも決定権があるので、今後考えますが、もし時子が「やっぱりやめた方がいいね」と言わない限り、彼女の思う通りの結末になるでしょう。所詮、時子の思い描く幸福を実現するのが僕の役割です。

それでは僕はそろそろ眠らなければいけないので。おやすみなさい。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎