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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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121話 ちいさき人たち






皆さまこんにちは。またまた時子です。五樹さんたちが眠っているので、更新は私がしますね。


結果として、子どもたちは無事に産まれました。

双子の赤ん坊なので、普通は二人とも少し体格が小さい状態で産まざるを得ないはずなのですが、なぜか男の子のほうは3820g、女の子のほうも、決して小さいわけではない2707gでした。

帝王切開でしたので術後一日はモルヒネを点滴しながら1日安静に、翌日から歩行訓練が始まりました。

私は過去に開腹手術を二度経験しているのでさほどではありませんでしたが、やはり痛いものは痛いですね(笑)

でも、傷口の癒着は防がなければいけないので、トイレまで歩くところから始まりまして、数日経てばもう、赤ちゃんを寝かせてある新生児室まで歩いて行って、赤ちゃんを抱いてソファに座り、母乳をあげるのもできるようになりました。痛いんですけどね(笑)

しかし、問題だったのは、母乳育児ではありませんでした。そちらのほうは、辛ければ助産師さんに代わって頂けますし。

私は、入院で夫と昼夜引き離されているので、夜になるととても不安定になり、大きな声で泣き叫んでしまったりしていました。見かねた助産師さんが急いで精神科の先生を呼び、筋肉注射で安定剤を注入させてくれたくらいです。


どうもやはり私は、まだまだ自分が「愛されなかった子ども」として生きているような部分がとても大きく、今必死に私を愛してくれている人と自分が認識している「夫」と離れるのは、相当に辛いようです。


ですが、明日11日に退院し、家に戻るので、双子と一緒に父親である夫に三人で甘え…るのはやはり夫が大変でしょうか?もちろん私も育児はするのですが…。

入院中は、目が覚めるときに強い恐怖に襲われて叫んでしまうのがいつもで、20秒くらいして意識がはっきりすると何が怖かったのか思い出せない、ということもありましたね。なんだったのでしょう。夜驚症に小さいころ罹っていたので、近い感覚はありました。


お話を変えて、ちいさき人たちの話をしましょう。

二人のお名前は教えられませんが、男の子のほうはとにかく元気に母乳とミルクを飲んでおりまして、女の子のほうは少し飲み方も飲む量も控えめで眠ってばかり、といった感じです。

先述した通り、体の大きさも全然違うので、男の子のほうは授乳のときに抱いていて疲れないように、がっちりと授乳クッションやらタオルを重ねて下支えにしています(笑)

私の父も孫の誕生を喜んでくれ、叔母もです。ただ、母に知らせるわけにいかないのは、やっぱり少し残念かなと思わなくもないですね。

私の母は余計なことしかしない人ですが、自分に孫が生まれたのに何一つ知らされないというのも、少し気の毒なように思います。まあ、「ゆくゆくは早稲田か東大に入れるために、教育しなきゃね」なんて本気で言う人ですし、何より虐待をしてしまう人なので、知らせませんが。

少し後味の悪いお話をしてしまいすみません。

これからのこの小説「八人の住人」は、「ちいさき人たち」のお話もかなり入ってくると思います。今までとは趣きが変わりますので、楽しみだったお話がこれからはあまり聴けないかもという方には、本当に申し訳ないです。

新しい形の「八人の住人」も、よろしければ読んでやって下さい。もしかしたら少しタイトルを変えるかもしれません。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎