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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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97話 眠り






皆さんこんばんは、時子です。恐らく、統合されていない状態での時子です。


皆さんは、今回も五樹さんが書く小説で、カウンセリングの話を聴かせてもらえると思っていたかもしれません。でも、今回は私が初めて自分の意志で書きます。


私は現在、とても混乱しています。それは三つの部分に分解出来ます。

一つは、最後に目覚めていた時から、三日も経っている事。もう一つは、五樹さんが食事をとんでもなく食べ過ぎてしまって、知らない間にお腹がとても苦しくなっていた事。最後に、恐らく私が人格を統合していた間の記憶が、私には全く無い事です。

twitterなどを見て、私がこの一日二日何をしていたのかはわかりました。食事をし、少々の家事をして、小説を書いていたようです。


「新しい私」は、私の事を「主人格たる私」と呼びます。彼女は、私を指して「子供っぽくてみっともない」と言います。それはいいんです。自分でも分かっています。そこが問題なのではありません。


統合が解けてしまうと、私には統合していた間の記憶はないので、そこだけぽっかりと自分の存在が抜け落ちたように感じます。そして、段々と私が目を覚ましている時間は減っています。極めて少ないと言ってもいいでしょう。


DID(解離性同一性障害)の患者さんの主人格である人は、自分が表に出ている時間が減っていくのを自分が居なくなるように感じるそうです。私も同じです。

そして中には、怖くなって、生の実感が欲しいがため、自傷行為にまで及ぶ人も居るそうです。私は、そこまではいっていません。


でも、こうも思います。

私は、過去三十年間ほど、ずっと死を願いながら、無理に自分を引き止めて生きていました。もしかしたら、そのご褒美に、やっと眠らせてもらえるのかもしれません。いっぱい我慢をしたから、もう眠っていていいのかもしれません。


皆さん、我慢は体に毒です。特に、意思表明の我慢です。選択の我慢です。

もし、職場や社会のみならず、家庭でそれをしなければいけなくなったら、“自分は苛まれているんだ”ときちんと自覚して下さい。そして、誰かに話をしてみたり、解決法を考えて下さい。私のようにならないで下さい。


私はずっと、強くなりたかった。なれると思っていたんです。辛い思いをしたら、それを跳ね返せば、強くなれると信じていました。そうでなければ生きられませんでした。


愚痴をこぼしてすみません。これを投稿したら、もう眠ろうと思います。この小説をいつも読んで頂き、有難うございます。それでは。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎