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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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84話 桔梗の哲学






こんにちは、五樹です。2日連続での更新は久しぶりですね。


昨晩、時子、僕、桔梗、時子の順で目覚めた事がありました。

時子の夫は帰りがとても遅く、帰ったのは今朝の7時です。だから、それまで時子は一人で待っていました。

大半は僕に意識を任せっきりでしたが、途中目覚めた時、彼女は「まだ1時なの?」と、失望していました。

その後で僕が目覚め、時子について少し考えるような素振りをTwitterで書き残しましたが、その後目覚めた桔梗は、こう言いました。


「五樹の考えている事に貴女は左右されなくていい。貴女の望む事をはっきりさせていけばいいだけ。それは毎日を過ごすだけ。

私達は元々、生まれた時から、満足を求めて歩き続けているの。

貴女の今は間違ってなんかいないわ。」


それは、もっともと言える意見ですし、これなら時子は、何も否定されず、何も強制されずに居られます。

僕は、自分がいつも時子に勝手な望みを押し付けていて、時子を混乱させているだけなのかもしれないと思いました。

桔梗のように、指先一つ動かさずに時子を守れるような頭が欲しいなと、思ったかもしれません。


でも、桔梗は、本当にどん詰まりにならないと出てきてくれませんし、彼女はほとんどの場合、眠る薬を飲んで話を終わらせてしまう事で、対処しています。だから、桔梗に頼れる時はあまり多くありません。

でも、桔梗も十分頼りになるだろうと僕は思いました。戦う仲間は何人居ても困りません。


その後目覚めた時子は、こう言っていました。

「桔梗さんって、14歳なんだよね?こんなにシンプルにスカッと答えを出せるなんて…これ、本当に14歳の発言なの…?」

14歳の頃の時子はすでにかなり賢く、更に時子本人のように自分への偏見に囚われていない桔梗であれば、この位の回答を出すのは容易い話です。

シンプルな回答は、偏見に囚われたままでは出せません。賢いか賢くないかというより、誤った観念に囚われているか否かの方が、重要なのです。




今回はちょっとした紹介なので、ここで失礼させて頂きます。お読み下さり、有難うございました。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎