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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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81話 正体の無い安定






こんばんは、五樹です。今回は短く、1件の報告のみです。


僕はそろそろ、目覚めてから8時間程になります。つまり、時子が僕に意識を渡し、僕達が交代して8時間です。

前話で僕は「自分も表に出ているのが苦痛だ」という話をしましたが、不思議と今はそれがありません。

もしかしたら、時子の体が体調が悪く、それで僕も辛かっただけかもしれません。

でも、僕が交代を苦痛に思わなくなってから、今度は時子が目を覚まさなくなってしまいました。それで僕は8時間も起きています。


もちろん、僕が表に出ていても支障が無ければ、この世の全てが苦痛な時子が長い時間を僕に任せるのは、当然の話です。

でも本当なら、時子が苦痛を和らげ、少しずつ表に出る時間を延ばす方が良いはずです。


今日は、僕は家事をせずに休み、食事を適宜摂り、シャワーを浴びて、今は休んでいます。夫君の帰りは本日遅く、3時頃だそうです。


もしや時子は、夫君が家に居ないのを寂しがって、彼が帰ってくるまで表に出てこないつもりなのかと思いました。でもそうすると、一日の内のほとんどを、彼女は眠って過ごす事になります。


僕にも、時子がどのように感じて今こうなっているのかは、分かりません。彼女が明確に意識している以下にある物は、僕でも触れられません。

そろそろ目覚めて欲しいなとは思っているのですが。


今日はこの辺で。お読み頂きまして、有難うございました。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎