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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 8 元カレが帰って来ると

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恵美莉は紙袋のシールをはがして中を覗いた。
「うん。大したもんじゃないけど、アメリカの恋愛小説でさ、最近読んで結構よかったから」
「あんた、恋愛もの読むの?」
「いや、俺の大学の課題で出たんだよ、これ。恋愛はいっぱいするもんだよって内容だけど」
「ペーパーバック(英字小説)か、英語で読んだの?」
「国際コミュニケーション専攻のお前だったら読めるだろ。小説書く余裕ないって言ってたから、ちょっと気分転換にいいんじゃないかと思って」
「うん。ありがとう。言語学だっけ? 専攻。あんたもちゃんと勉強してるのね」
「ああ、やることいっぱいあるよな。平穏な高校時代が懐かしい」
「ホント毎日大変よね。ちょっとは大人になってるのかな」
「うん、お前、随分大人っぽくなったよ」
「あんたもね。こんな車買っちゃって。あ~あ、春樹君にもこんなの買ってほしいのにな」
「ローンは長いんだぞ」
「でも使いまくるんでしょ。女のために」
「はっきり言って、その為の投資だね」
「ふふふふ、あたしには、コルベット乗せてくれる人いるよ」
「え!? そんな高級車? 愛人か?」
「違うよ、仲のいいバーのオーナーさん」
「怪しいなそれ」
「あたしももう、高校ん時とは違う訳よ」
「やっぱり色々あるんだな」
「よねぇ。あたし美人だもん」
「確かに美人になったよな」
恵美莉はバッグの中の小さな布袋を開け、ルビーのペンダントを取り出して首にかけた。
「これもある人から貰ったの」
「ええ? お前も結構やるじゃん」
今度は左手を立てて見せて、
「でも、この指輪は春樹君。これだけはずっと着けてるよ」
「う~ん。案外秘密持ってるな」
「キッドも色々あるんでしょ」
「なんでだよ」
「あんたもカッコいいから」
キッドは恵美莉に初めてこういう言い方をされたので戸惑った。(昔はこんなこと言い合う仲じゃなかったのに)と。