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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 8 元カレが帰って来ると

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「おいおい、拒否しないでくれよ。せっかく作ったのに」
「ありがとうございます。素敵なカクテル」
「じゃ。今日は、店終わるまでいてくれよ」
ヒデキはまた、恵美莉の耳元で言った。
「えぇ!? ふふふふ・・・今は彼氏とラブラブな時ですからダメですよ」
「いいじゃないか。久しぶりに」
そう言うとヒデキは、恵美莉のお尻を軽く撫でた。
「ん、コラ! 昨日、彼氏との1周年祝ったばっかりなんで!」
「俺たちも関係持って、そろそろ1周年じゃないか」
「過ちの関係に記念日なんかありませんから」
恵美莉は横目で睨みながら、カクテルに口を付けたが、
「!・・・えッ! めっちゃ濃い。何企んでるんですか!?」

 恵美莉の日常はうまくいっていた。しかし颯介からのLINEが来てから、少し行動を自粛しなければいけないと思い始めていた。
 1年間の交際では、活発な性格の恵美莉に対して、春樹はおっとりした性格だったために、別々に行動しても、趣味嗜好の対象が違っても、お互いそれを気にするような性格でもなかったので、束縛し合うこともなく、その関係は安定していたのだ。
 しかし、恵美莉からすれば、少し刺激が足りない相手だったのかもしれない。その分彼氏以外の友達と過ごすことも多く、どこで何をしていても気にしない春樹に対し、恵美莉は逆に、春樹はどこでどうしているのか、簡単に把握できるほど単純な行動パターンの男だった。だからこそ恵美莉は自由に行動できた。
 元カレの颯介とは家も近く、彼の両親とも十分知り合えており、その関係はまるで家族のように深かったのだが、その相手一筋という期間が実に7年にも及んでいれば当然であった。しかしそれにより、恵美莉の行動範囲も限定され、安定という日常に慣れてしまっていたのだ。それに比べると今の恵美莉は、日々刺激を求める全くの別世界の住人のような感覚なのである。