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忘れられない人たち

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バーチャルのともだち②



バーチャルの友達は数年経てば別れる経路を辿ることになる。その思い出はかなり深いものでひとりひとりのこと、交わした会話も忘れてはいない。返らぬ儚い思い出だけにリアルの人より哀愁を感じるのだ。

その中で最も悲しい別れがあった。
自分より20歳以上年下の元気いっぱいの人だった。私がSNSに書いた日記には必ずコメントをしてくれていた。創作仲間と競い合って書き物をしていた頃にその人が私と繋がりがあったかどうかは記憶にない。
それほど仲間は結束して詩や川柳、小説を書くことに懸命だったので記憶にないのだと思う。

皆がこぞって書いた作品はそのSNSに設けられた創作広場という場所にあったが、ある日突然創作広場は消えていた。

書くべき場所がなくなり、仲間それぞれは別の投稿サイトへ移ったり、自分でブログを作ったりして本命を発揮していた。退会してフェイスブックに移った者もいる。
彼らが移ったそれぞれの場所すべてに私は在籍していたので、その後の仲間の状況を把握することができた。

元のSNSで私は相変わらず日記も書いていたが、退会する人や日記を書かなくなった人が増えて、私の日記を読みにくる人はほんの一握りのフレンドになっていた。
それでも必ず読みに来てくれるWさんが居て、彼だけが読んでくれれば良いとさえ思って書いていた。

作品名:忘れられない人たち 作家名:笹峰霧子