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忘れられない人たち

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バーチャルのともだち③


彼はツーリングのコミュを作っていたので大勢の仲間がいた。
私とは縁のないグループだったが、怖いと思っていた若い人達のヘルメット姿を好ましく見るようになった。彼の日記に場違いの私がコメントをすることはまずなかったが、読みには行っていた。
若い男同士の会話はべらんめえ調で異様な雰囲気だったが次第に慣れてきた。
たまにコメントを書くと彼は私のことも仲間だよと書いてくれた。

Wさんはとても誠実な人で、ツーリングのグループの隊長だったが大勢の仲間から慕われている様子が伺われた。個人的には交流がなかったWさんとメールで話をするようになったのは数年経ってからだ。

関東に住むWさんが四国に遊びに来るということで、連絡の為にラインを繋いでくれた。Wさんは独りでマンションで暮らしていたので、いつでもメールして良い、仕事で返事ができないときもあると言っていた。かなり自由がきく会社での地位なんだろうなと思ったが、何の会社かどういう地位にあるのかは聞いたことはなかった。

それほどにその場限りのメールのやりとりだったが、四国に水害があったときは気遣ってメールをくれたり、体調が悪いと書けば大丈夫ですか?と言ってくれた。娘さえ気遣わないことを言ってくれるととてもうれしかった。


作品名:忘れられない人たち 作家名:笹峰霧子