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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの8

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知春は全く気にしない様子で、次には背が縮みダボダボになったスカート織り込んだ。
「おっきいけど、気にしないでね…。」
そこじゃないと心配する優太の表情に気づきさえしない。
世間からずれた姿のまま、知春は気にせずに話し続ける。
「確かに気持ちが落ち着かない感じがする。魔力が抑えきれてないね。あとで疲れちゃうかも。」
月が満ちていた。その月と同じ髪色。瞳は周辺に散らばる星色。
夜空の一部のような姿で精霊体としての知春は不思議な雰囲気を醸し出していた。
「どっちが好き?」
優太は一瞬何を聞かれたか分からなかった。
「人間の姿の私とこっちと、どっちの姿がいい?」
そもそも、この間の知秋が強制的に戻された姿とまた容姿が違っていた。
知秋がよく分からない札を胸に貼られ、戻った時は、炎のように赤くバサバサだった髪が、今日の姿ではツルツルサラサラ銀色を帯びている。そもそも、前回に比べ、そこまで容姿は幼くならず、気づかない程度の変化だった。
「分からない。」
優太は答えた。しっくりくるのは人間の姿の時に違いなかった。こっちが本当だとしたら悪いと感じた。
とても愛らしい姿にさっきから周囲の人が視線を向けては、そらすのを感じる。
でも、なんだかその姿は幻想的だけれども、違和感のあるものだった。
「最初はどの姿だった?」
少しだけ気になり、優太は聞く。
「え?生まれた時ってこと?」
知春は聞き返す。
「お父さんに確認すれば分かるとは思うけど!」
「生まれた時の姿を天野先生は知ってるの?」
「私達を誕生させたのはお父さんだもん!知らないはずないよ。」
普通にさらっと話す。言葉の端から知春が世間から離れて生活していたのが分かる。