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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの8

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「誕生させる?」
「秋分の日の昼と夜が切り替わる瞬間に何かしらの手順を踏んで私たちは生まれたらしいの。だから、名前が知る秋で知秋!」
「そうなんだ。」
「知るって文字は、まあ、お父さんのお母さんだった知季さんから借りたとも言っていたけど。」
「だった?」
「死んじゃってるから!」
知春は言った。
「私たちは知季さんの変わり、お父さんが寂しくないように生まれたの。」
平然と。
優太は聞くのであれば、知春だなと思いきって聞いた。
「そういえば、風間先生、どういう関係?」
優太が聞くと、珍しく知春は険しい表情をした。
「お父さんのアルバムによく小さい頃の姿が載ってる。一緒に寝起きしたり、ごはん食べたり、遊んだり、一緒に暮らしてた時期があったみたい。私たちが生まれた時には別々で暮らしていたから、私たちには他人かな。」
「なんで、危険だと思う?」
聞きすぎな気もしたが、聞かざるを得なかった。状況によっては近づかないようにしないといけないから。
「新式術者は、精霊殺しの呪われた一族だから。」
さらりと、専門用語が出てくる。
「新式?」
優太は聞く。
「お父さんは旧式。あの人は新式。新式は危険だから、旧式が見張るルールになんだよ。だから、あの人はお父さんの母親だった…知季さんの監視下にいたの。」
「じゃあ、今は誰が見張ってるの?」
優太は気になった。
「知季さんがなくなったから、お父さんなはずだけど、そういう姿見ないね。いない状態かも。」
「新式術者ってどう危ないんだ?」
「術者は2タイプいて、新式は魔力を無断で強奪した一族。神様が許可していない。資格がない。でも、精霊の魔力を殺して身につけてしまって、今も尚、その状況が続いている。」
「…。」
「風間琴恵、琴恵さんは風の属性らしく、空の能力が欲しければ、何をするか分からないって言われてる。」
あの人って呼んでいたのに、フルネームで呼び始める知春に名前を認識していたことに、優太は少し驚く。名前を呼びたくないから、呼ばないということなのだろうか。
「だから、向こうが何を言ってきても相手しちゃ駄目だよ、優太くん。」
知春は優太に琴恵に近づかないように話した後、話題を変えた。
「もう話すのも嫌だから、別なこと話そう!」