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新しい出会い

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その7


大型台風が来るとの予報が報じられたとき、彼女は亦怯えた声で電話してきた。寂しくて不安でたまらないという。
心配しなくてもこの町ではそれほどひどいのは来ないから、準備をして安心していれば良いのよ、というと、やっぱり電話してよかった、少し落ち着いたと言った。

まだ雨風がひどくならない内に買い物に行ってくるよと言い、私は車でスーパーへと急いだ。短時間の買い物を終えて車を運転していると、フロントガラスに雨粒が吹き付け前が見えない瞬間もあったが、必死で運転して家に辿り着いた。

多分出かけると言ったので彼女は心配してるだろうなと思っていたが、案の定帰宅してすぐに電話が掛かって来た。
いま着いたよ、ぎりぎりだったわというと、良かったと安心したようだ。
頼っても来るが、私の身を案じてくれる人ができたのはありがたいことだ。

夜になって、次女から台風のことと、体調のことをメールで尋ねてきた。
次女自身も頑張って仕事と子育てをしている状況を知っているので、私は心配事は伝えないことにしている。

 
 
作品名:新しい出会い 作家名:笹峰霧子