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新しい出会い

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その9


お弁当を食べ終わり、次の名所ともいえる場所へと移動した。そこは町の唯一の名所で池があり、様々な樹が名前入りで林立している。名人が作った石の彫り物も各所に設置してある。

私は幾度となく独りで写真を撮りに来ていたので慣れた場所だ。池はまるで湖のように広く漣が立っているのを見たことがない。

ここへはかなりの人が足を運んでいる。というのは、以前は周辺に秋桜畑が一面に広がり、11月に秋桜祭りが開催されていた。現在は田圃の秋桜の種は切れて無くなり、別の場所が更なる大規模な秋桜園となっている。

一昨年は近所の老女が病みあがりで鬱みたいにやつれていたとき連れてきたことがあり喜んていた。
案山子があちこち立っていてなかなかの趣向だ。田んぼの一角は案山子さんたちがテーブルを囲んでお茶してるという工夫も面白い。

彼岸花があちこち咲いていたので、カメラ一式を車に積んではいたものの今回は撮るのをやめて帰ることにした。
私も日常的にはそれほど元気ではないので、彼女を家まで送り届けたあとほっとして帰宅したが、かなり疲れていたのでベッドに横になり休んでいた。

スマホを見ると、夕べ心配な状況のメールをもらった詩人さんへ私が書いたメールへの返事が入っていた。体調は回復しているとも書かれていたので、こちらもほっとした。



作品名:新しい出会い 作家名:笹峰霧子