小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

あの日、あの夏、あの子に向けて

INDEX|5ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 


 ツバサの家から少し離れた道、息を切らすツバサ

ツバサ「おっ、おい!! アオイ!!」
アオイ「んっ?」

ツバサ『声がようやく聞こえたのか、アオイの足が止まる』
アオイ『気づけば、ツバサの家はすっかり見えなくなっていた。走っている間に涙も汗と一緒に飛び、あたしは笑顔でツバサの方を振り向いた』

アオイ「あっ、ごっ、ごめん!! ……ねぇ!」
ツバサ「んっ?」
アオイ「このまま、手、繋いでていい?」
ツバサ「っつ! だっダメ!!」

 ツバサ、アオイに背を向けたまま歩き出す。

アオイ「あっ!! 待ってよ!! ツバサ!!!」

ツバサ『本当は俺も繋いでいたかった。でも、それはなんだかとても恥ずかしい気がして……俺はアオイの顔を見ずに神社に向かってただ歩いた』
アオイ『そう、言われるのはわかっていた。でも、あたしは、少しでも、ツバサを近くに感じていたかった』