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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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続々 神ってる(Aino SPINOFF 3)

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其の⑳ メンマできたよ



「タケノコ貰ったの、いる?」
 愛音が知り合いからタケノコを沢山もらったと電話があった。
「茹でて冷凍しておいてくれたら、またもらいに行くよ」
「そんな難しいこと出来ないよ」
「タケノコ炊いたことない?」
「お吸い物くらいなら・・・」
「似たようなものだから、糠かなんかでアク抜きして炊いてみ」
「ええ~」
「You tube見たらできるから」
取り敢えずこう言っておいたのだが・・・

 しばらくしてまた電話があった。
「これタケノコじゃないかも? 動画と見た目が違うのよ」
「どんなのもらったの?」
写真を送ってもらって、私もちょっと困惑した。
「こんなんを10本くらいもらって来ちゃったんよ」
「長くない? ほとんど竹じゃん。太さどれくらい?」
「腕くらいある感じ」
「7~8センチで、70~80センチくらいか」
「私の腕は細いわよ」
「それ多分、『孟宗竹』じゃない他の種類だな」
私はネット検索したら、この時期のタケノコは『ハチク』という種類だと分かった。
そう伝えたら、愛音は納得して、
「じゃ、ハチクの動画見て頑張る」と、こうなったのだが・・・

 次の日、
「できたよ。メンマ」
「え!? メンマ?」
「うん」
「なんでメンマ? そんなのよく作れたな」
「ハチクの動画探したら、メンマのしかなくって、フライパン8回分出来た」
「ええ!! 全部メンマにしたの!?」
「他の動画探すの面倒臭いもん。でも大丈夫だって、動画の通りに作ったから」
「多すぎないか?」
「動画でこれくらい作ってたんだもん」
「家庭での話じゃないような気がするけど」
「どっかのお店の厨房の動画だと思う」
「・・・で、そんなに大量にどうするんだ?」
「ラーメンに入れたら食べられるでしょ。ちゃんと動画みたいに出来たから自信あるって。半分もらってよ」
「ラーメン何杯分あるんだよ」
「さあ、おつまみにもなるみたいよ。冷凍しといたらいいでしょ?」
「・・・解らん。それより味はどうなの?」
「それは大丈夫。味見通りの味だったから!」
(味見通りって・・・)