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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
novelistID. 69613
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悠々日和キャンピングカーの旅:①伊豆半島

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 一息ついた後は再び南下。新天城トンネルの通過後は下り坂が続く。ブレーキを踏み続ける替わりに、オーバードライブをオフにしてエンジンブレーキで速度を落とし、カーブの手前で減速、カーブの中での更なるブレーキングを控えるという運転の基本で走った。二重ループ(720度)の河津七滝ループ橋では、いつ渡り終えるのかと思うほどぐるぐると回った。その後は緩やかな勾配の下りが続き、やがて駿河湾沿いの東伊豆道路(R135)に出た。
 山中の走行から海沿いの走行に変わると、やれやれと安堵。少し走った先の道沿いの展望台からは、日没直後の須崎御用邸(天皇家や皇族の別荘、他に那須と葉山)のある須崎半島の眺望が広がっていた。そして間もなく、下田港に面した道の駅「開国下田みなと」が目に入った。

 明朝の下田港での散策も視野に入れ、ここを宿泊場所にと考え、道の駅の建物の1階にある駐車場にキャンピングカーを入れようとした。ところが、そこには高さ制限の表示があり、キャンピングカーはそれ以上進めず止まったところ、後続車が2台。少々立ち往生になったが、後続車がバックしてくれたことで、それに続きバックした。これまで、車高が高いクルマを運転したことがなく、改めて3mの高さを意識した。
 そして、道の駅の建物の横の駐車場に入り、最適な駐車ポイントを選んでエンジンを切った。ところが、その脇を走る国道の交通量が思いのほか多く、走るクルマの音が気になってしまい、11km先の道の駅「下加茂温泉湯の花」に向かうことにした。

 既に日はとっぷりと暮れ、そこからは初めての夜間走行になり、速度を多少落とした運転になってしまった。山間の静かな場所に道の駅が見えた時は安堵した。道の駅のショップは既に閉まっているが、トイレは清潔な感じで、車中泊する車は殆どなく、今夜の車中泊の場所に決めた。
 キャンピングカーの中で“初の夕食を作りたい”気持ちと、“伊豆半島ならでは美味しいものを外食する”ことを天秤に掛けた。疲れていたことを理由には出来るが、それより早く、美味しい地のものを食べたい気持ちが強く、この道の駅の少し手前にあった和食の食事処に向かった。
 私は地のものの豪華な天丼、妻は海鮮たっぷりの定食、それぞれはたいへん美味しく、コストパフォーマンスの良い内容だった。食後は、和食店で教えて頂いた温泉「銀の湯会館」に行くことにした。
 道の駅から1kmも離れていないが、そこまでの道は暗く、歩いて行くのはやめて、キャンピングカーで向かった。男湯と女湯に別れて入るため、湯上り時間を決めてゆっくりと湯に浸かった。気持ちの良い湯だった。風呂上がりの喉を潤すため、冷蔵庫から取り出した牛乳を飲んだ。妻はビールだった。

 初の「キャンピングカーの旅」の夜はTVを見ながらくつろぐことにした。ところが、山間のためか室内アンテナは地デジの電波を受信出来ず。その代わりに、録画した番組を見ることにした。その録画リストの中に「空から日本を見てみよう」の「伊豆半島編」が入っており、それをじっくりと見ながら、今日の振り返りと明日の予習をした。
 地元で見るこの種の映像は最高のガイドになる。この番組は既に放送が終了したが、放送されている頃は毎週録画して、かなりの数のDVDライブラリーを持っている。次回の旅からは、旅先のDVDを探して、キャンピングカーに積み込むことに決めた。

 次第に、初日の心地良い疲れが眠気を誘い、午後10時頃だったが、就寝準備を始めた。テーブルの上を片付け、テーブルとソファーの組み合わせを変え、サロンベッドを作り、バンクベッドから妻用の布団を取り出して敷いた。私はバンクベッドで寝るため、ベッドボードをスライドして広いスペースを作り、予め半分折りにしていた布団セットを広げ、準備完了。二人ともパジャマに着替え、布団に入った。
 バンクベッドには、備え付けの枕もとにライトがあるのだが、サロンベッドの枕もとにはライトがないため、ハンディライトを妻に渡した。
 この道の駅の夜の駐車場は静かで、今日の出来事を思い出す暇もなく、深い眠りに入っていった。