悠々日和キャンピングカーの旅:①伊豆半島
次は就寝のための準備だ。
運転席の上のバンクベッドに布団を1セット持ち込み、朝まで寝てみることにした。
キャンピングカーの縦方向(進行方向)に布団を敷くには、バンクベッドの床にあたる部分(ベッドボード)が可動するため、後方に80cmほどスライドさせ、その部分に厚さ10cmのマットを2枚敷いて、180cmの縦方向のスペースを確保。持ち込んだ敷布団はバンクベッドの左側に敷き、シーツを被せ、毛布と掛布団をセットして終了。
バンクベッドの右側には、布団をもう1セット敷くことが出来るスペースが残っていた。マニュアルどおり、バンクベッドでは二人の就寝が十分可能なことが分かった。
ただ、天井までの狭い空間での作業は、思った以上にたいへんなことが分かった。
今夜は、そこで寝るのだが、狭い基地に入ったような感覚になり、子供のように愉快さを感じてきた。自宅でパジャマに着替えた後、芝生の庭を歩いてキャンピングカーに入った。純正のラダー(はしご)を使ってバンクベッドに上がって布団に入るまでは、体の向きを変えなくてはならないが、中腰になれないため、体を横たえながらの窮屈な動きになったが、布団に入ると、何の違和感もなかった。
そこから手を伸ばせば、ダイネットの天井のライトを消すことが出来、バンクベッドとダイネットの間の遮光カーテンを引くと、完璧な睡眠が出来そうな空間になった。頭の上あたりにライトが取り付いており、スイッチを入れると、ちょうど良い明るさで点灯。スイッチを逆に入れると、オレンジ色の常夜灯になった。
布団に入ると直ぐに寝付く私は、この日も直ぐに眠ってしまった。
翌朝、腰や首が痛いとか、手足を伸ばせなかったとか、そういう不具合はなく、自宅のベッドで寝たように目覚めた。
ただ、妻にとっては、ラダーを使って、バンクベッドへ上ったり下りたりするのは少し辛そうな感じがしそうなため、ダイネットで寝るのが良さそうだ。妻に代わり、試すことにした。
テーブルやソファーを組み替えてサロンベッドを作り、そこに布団を敷いた。思いの外、簡単に出来た。そして実際に寝てみたところ、敷布団には段差はなく、朝まで寝ることが出来そうだ。
数日前、使っていなかったTVとハードディスク(iVDR再生機)を取り付け、ネットで購入した室内アンテナを接続した。自宅近くの運動公園の広い駐車場に行って、そこで地デジの受信状況を確認したところ、映りが悪い放送局もあったが、旅先ではこれで、寝るまでの時間の手持ち無沙汰はなくなるはずだ。
「キャンピングカーの旅」に出るための最低限の準備を進め、夫婦の「キャンピングカーの旅」がいよいよデビューする日を迎えた。
作品名:悠々日和キャンピングカーの旅:①伊豆半島 作家名:静岡のとみちゃん