火曜日の幻想譚 Ⅴ
530.パーティ
パーティをしよう、不要になった水や汁を集めて。
水道水。雨水。ゆで汁や残り汁もどんとこい。ささやかだけど今日という日を、みんなでお祝いしようじゃないか。
パーティといえば、甘くておいしいジュースかアルコールが定番だ。君らの出番は、正直に言うとあんまりない。だからこそ、僕は君らと大切な日を分かち合いたいんだ。
ん? いいんだよ。そんなこと気にしないで。それで君たちが報われて、救われるのなら、僕が数時間トイレにこもることなんか、どうだっていいことさ。
それに、今日は特別ゲストの整腸剤さんもいらっしゃってる。下しても大丈夫。まあ、彼はカプセルの中に液体として入っているし、普段から重宝されているけど、みんな、やっかまずに出迎えてほしい。
ああ、そうだね。まあ、血圧が上がるのは仕方ない。でも、命までは大丈夫じゃないかな。
さあ、乾杯しよう。みんなが生きた今日という日を、もう二度と生きられない今日という日を、憎まれた君も、疎まれた君も、健康に悪いという名目で嫌われた君も、僕が全部、全部、飲み干してあげる。
それじゃあ、君たちのこれからと、輝かしい今日という日に、乾杯!