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火曜日の幻想譚 Ⅴ

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531.今そこにある「利き」



 突然ですが、皆さんの利き手はどちらでしょうか。

 恐らく右利きの方が大半で、次いで左利き、恐らく両利きという方が一番少ないと思います。いずれにしても、手という便利な物をわれわれはよく使っていますので、回答は比較的楽だろうと思います。

 では、利き足はどちらでしょう。サッカー経験のある方などはご存じかもしれません。調べ方はわりと簡単で、あぐらを組んだときに足が上に来るほうだそうです。別に知識をひけらかしたいわけではありません。私もサッカーは学校の授業でやっただけですし、たった今調べただけです。

 次は、利き目です。目も、左右のどちらかをよく使っているらしいです。これを調べる方法は、まずとある物体を両目で普通に凝視します。その状態で、両手の親指と人差し指で三角形をこしらえます。そして、見ている物体が三角形の内部に収まるように移動させていくのです。その後、片方ずつ目をつぶって物体を見てみると、どちらかは三角形に邪魔されて物体が見えなくなります。見えるときに開いているほうが利き目になるようです。これはネットで調べたものではありません。昔、車の免許を取る際に、教習所で教わったものです。

 まだあります。利き耳です。利き耳がどちらかによって右脳派か左脳派かも分かるなんて言いますが、正直、それは眉唾だと私は思っています。これは、とっさに電話に出て、受話器を当てたほうらしいです。受話器なんて今どき取らねえよという方、多分スマホでも大丈夫だと思います。

 さて、別に私は利き○○のエキスパートではないですし、こんな聞きかじっただけの知識を漫然とお送りするためにこの文章を書いているわけではありません。本題はここからなんです。

 生活していて思うのですが、人間には、実は、利き鼻の穴というのもある気がするのです。例えば、風邪やアレルギーなどでどうにも鼻がつまる。そんなとき、左右どちらかの通路さえ確保できれば格段に楽になる。そのどちらかが、その方の利き鼻の穴ではないかと思っているのです。恐らく、普段鼻がすーっと通っているときも、私たち人類は左右どちらかの鼻の穴をより重用して使っている気がします。それが、鼻づまりになった際によりはっきりする。こう思うのです。
 それを確かめる方法? 私個人の意見でよろしければ、皆さん、右向きと左向き、どちらのほうが寝やすいでしょうか。その向きで上になるほうの鼻の穴。そちらが利き鼻の穴なのではないかという気がします。上になると気道が確保しやすくなりますからね。まあ、素人の勝手な予想ですし、上向きやうつぶせが一番寝やすい、と言われてしまうと返す言葉もありませんが。

 どうでしょうか、利き鼻の穴、皆さんには思い当たるでしょうか?

 もし、これを読んでくださっている方々の中に、この利き鼻の穴があるという説に首肯していただける方がいらっしゃるなら、調子に乗ってさらにもう一段階、昇りたいと思います。数ある人間のパーツのうち、二つ存在するものには、このような「利き」が存在するのではないかということです。例えば、利き肺、利き腎臓、利き乳房や利ききんた……、ああ、いや、これ以上はやめときましょう。とにかくこういった感じです。

 私が医学の道を志していたのならば、これら「利き」の研究に血道をあげることができたかもしれません。しかし、あいにくそうではないので、ここで小声を上げておくだけにしようと思います。


作品名:火曜日の幻想譚 Ⅴ 作家名:六色塔