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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
novelistID. 69613
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悠々日和キャンピングカーの旅:プロローグ(後半)

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■セカンドライフが始まった
 セカンドライフの初日は、朝からすっきりと晴れていたことを鮮明に憶えている。もう出社する必要がないとか、仕事に束縛されないとか、そんなことは脳裏につゆ浮かばず、毎日でも空を飛べるとか、キャンピングカーの長旅に出掛けられるとか、趣味に没頭することばかりが頭に浮かんでいた。
 詳細は後述するが、退職後も十分な生活資金が確保されることがライフプランセミナーで分かっていたこと、それに、アウトドアの趣味には、ある程度の体力が必要になるため、定年後も働くという選択肢は端から無かった。
 仮に70歳まで働くならば、生活資金はもう少し増えるが、高齢により健康面や体力面で不安を覚えたり、精神面でやる気を失ったりすることが予想され、好きな趣味を元気に取り組めるセカンドライフに憧れ、踏み出した。
 今、現役時代のキャリアすべてが遠い昔の事のようで、ひとつひとつが想い出に変わった。その中には苦い出来事もあるが、ああしてこうしていれば良かったのにと。しかしそれは、これからの人生をスマートに生きて行くための反面教師としたい。キャリアを積んできた約40年は実に早く過ぎ去り、「光陰矢の如し」とはよく言ったものだ。
 この世で、誰もが平等に持っているものは時間のはずなのに、毎日が忙しい人の時間は早く過ぎ去り、退屈で暇な人にとってはゆっくりと流れる。更に、人は歳を取るにつれ、感覚的に時間を短く感じてゆく。それは、これまでの人生の年数を分母に、過ぎ去ってゆく1年を分子にすると、それは人生に占める1年の割合であり、それが次第に小さくなってゆくからだと、誰かが私にそう説明してくれ、ストンと腑に落ちた。
 セカンドライフは感覚的に早く過ぎて行くものだと、私自身、そう理解して臨むことにした。