第五話 くらしの中で
その2
以前詩のブログを指導して下さった音楽のプロの女性がいた。ご自分の作曲したピアノ曲を演奏したCDをネット販売されている。その方から表画面のレイアウトや自動で曲が流れるタグをつけることを教わった。
地味な詩やエッセイを書いた私のブログはみるみるアクセスが増えた。(当時のこと)
その方から忠言されたことがある。
毎日ブログをアップするのはやめて、読者がお腹を空かした頃にアップするのが秘訣よと。
その言葉は今ではメールや電話をする相手にも及んで気を遣っている。
実際私自身がそういう目にあったことがあった。
怪我をきっかけに暫く面倒を看た女性が、かなりの頻度で来宅し接近してきた。
たしかに私はその相手の行為を勘弁して!という気持ちになった。
良い経験をさせてもらったと思う。
しつこいという行為は、別れるほどでもない人と縁を切る羽目になると気付いた。
その一例として、それほど親しくはしていなかった男の友人の極端な接近の行為が、縁を切りたいという気持ちにさせたことだ。
そういう行為に対して自分の対応にも反省する点はあった。
今にして思えばゼロか百かの%で決めなくてもよかったのではないかと思う。
押しかけて来るわけではないのだから、鬱陶しいと思えば適度な間隔で返信をしていればよかったのかなと思う。
最近ご主人を失くされ悲嘆にくれている元友人と電話で話すようになった。元々仲が良かったので毎日声を掛けたくなるが、先方は娘ふたりが優しくて毎日何度も電話を掛けてくるとのことなので、私は控えたほうが良いと思っている。
それにこちらが気遣っても相手はうれしいかどうか他人の気持ちはわからないものだ。わからないときは距離を置いて行動するのが良い。
作品名:第五話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子