「珍獣姉妹」なのか
「ほんとうに元気でよかったわ。すっかり安心したわよ。」
「叔母さん、お茶でも飲んでいきますか?」と声をかけたが、叔母は、
「今日はこれで失礼するわ。ちょっと用事もあるんでね」
最寄りの私鉄の駅まで乗せて分かれた。
ヤブ田は二人の姉妹愛の深さに圧倒されるような気分だった。
血を分けた兄弟姉妹と言うのは親子とはまた違う親しみがあるのだろう。
少し前までは、「人生100年時代」と言っても、「なに、寝言言ってるんだ」ぐらいにしか感じなかったが、今日の母と叔母の様子を見ると、それがもう現実になっているように思えてならなかった。
叔母はきっと100まで元気でいるだろう。
叔母の100歳のお祝いに母と三人で「トトンガトン、トトンガトン」と手拍子をとりたいのだが、それまで母は生きていられるだろうか。