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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「珍獣姉妹」なのか

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 最後の登場人物である。
今回当病院の人間ドックは2回目の受診で、37歳の男性だった。

 血液検査で肝機能のGPTが少し高く、尿酸、中性脂肪が基準値を上回っていた。

「〇〇さん、こんにちは、今回は大分栄養がいいようですが」
「そうなんです。去年の夏に結婚したもんですから。奥さんが料理が上手でつい食べ過ぎちゃうんですよ」〈それは結構。うらやましい〉
「料理の上手な奥さんでよかったですね。でも、食べ過ぎないように注意しないとね」
「でもセンセイ、去年と比べてどうですか?」
「あ、そうだ。忘れてました」と私は画面をスクロールして、昨年のデータと比較してみた。
尿酸は去年8.2もあったのに、今回は7.3に下がっている。中性脂肪も240から202に減少している(基準値よりまだ高いけど)

「そうですね、たしかに去年に比べると良くなってますね」
「アア、よかった。ぼく、筋トレやってるんですよ。」
「ホウ、それはいいですね」
 すると、彼は続けて言った。
「奥さんが妊娠したんです」
私がなにも聞かないのに、そう打ち明けてくれた。〈それで、筋トレ一生懸命やってるのか、いいことだな。〉
私はお祝いの言葉を述べた。
「おめでとう、よかったね、あまり食べ過ぎないように、筋トレ頑張ってね」

 そんなわけで、人間ドックはおめでたい話がけっこうたくさんある。
ヤブ田もますますお目出度くなりそうだ。

作品名:「珍獣姉妹」なのか 作家名:ヤブ田玄白