星に願いを:長門 甲斐編
星
真逆(まさか)、尾行(つ)けてるとは思わなかった
真逆(まさか)、自分の背後を狙う相手が居るとは思わなかった
所詮、餓鬼(ガキ)の喧嘩だ
所詮、素手喧嘩(ステゴロ)だ
刃物を持ち出す等、狂気の沙汰だろ?
とことん馬鹿だった
とことん大馬鹿だった
狂気の中でしか生きられない奴等(やつら)等、何処にでも居る
破落戸(ごろつき)相手の委細巨細(いざござ)に巻き込まれて
呆気なく死んだ父親の「死」に何も学ばなかった「付(つ)け」を払わされた
父親似の、「弟」ではなく
母親似の、「兄」が払わされた
自分を庇うように間に滑り込む
刃物片手に俺の背後に突っ込んで来た「相手」に見事に刺された
然(そ)うして彼(あ)の日は
塗装道路を飛び越える「影」を追い掛けて
雨上がりの水溜りの中、映り込む太陽に目が眩んだ
「誰の葬式?」
光明の中、瞬く「星(ひかり)」を探す
光明の中、瞬く「星(ひかり)」を探した先
俺の、「時間」が止まった
彼奴の、「時間」が止まった
作品名:星に願いを:長門 甲斐編 作家名:七星瓢虫