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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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母の呼吸は弱そうに見えた。脈は弱いが、触れた。
左の耳元で大きな声で叫んでみた。
「おかーさん!おかーさん!」
すると母は目覚めて私のほうを見た。
眼が開いたのでだいぶ安心した。

「苦しいところないの?」と言うと
「ない」とはっきり答えた。
「痛いところないの?」と聞くと
「ない」と首を横に振った。
〈アー、大丈夫だ。よかった〉

そのうち医師も訪れて、診察してくれた。大丈夫そうだった。

今日の話し合いは、要するに、〇〇園で対応できないような急変が起こった時、救急車を呼ぶか、呼ばないで自然の成り行きに任せるかの相談だった。
この問題については、以前から兄、姉と合意していたが、もう年齢が年齢なので、無理な延命処置はせず、ナチュラルにまかせるという方針だった。

書類に署名捺印して会合は終わった。
係りの人たちは母の呼吸停止にとても驚いているらしく、緊急時なので、コロナはあるが、親戚などの面会も特別許可すると言ってくれた。