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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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ヤブ田は慎重に言葉を選んで答えた。
「咳はタバコの吸い過ぎかもしれませんね。やはり、止めたほうがいいでしょう。慢性気管支炎や肺気腫の原因になりますし、家の中の空気も汚れますからね。それに、奥さんのストレスの原因にもなっているようですから」

奥さんは納得したのか、きっぱりと
「わかりました。」と返事した。
そしてご主人に、
「いい、あなた。やっぱりタバコはダメだって、先生がおっしゃってるわよ。今回は癌はなかったらしいけど、このまま吸っていたら癌になりますからね」
奥さんは、先の見通しまで御主人に告げた。

「それじゃ、お大事に」と言うと、
「どうもいろいろありがとうございました」奥さんは丁寧にあいさつしてドアを開けた。ご主人は無言のまま後について行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このご夫婦は、正反対のようで、ご主人はおとなしく、奥さんはよく気の回る人である。

ヤブ田は、お二人の家庭での日常を想像していた。
たぶん、何事も奥さんが主導権を握っていて、ご主人は奥さんの言うとおり、ついて行ってるのではないか。
そして、もしかすると、ご主人の唯一のストレス発散がタバコだったのかもしれない。

そう思うと、ご主人の今後が少し心配になるヤブ田であった。