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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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「それじゃ、こちら向いてください。血圧を測りましょう」
ジャイアンは腕をまくり上げた。
「ア、そんな無理にまくり上げなくても大丈夫ですよ。シャツの上からでも聞こえますから」と言うと、
「ア、そー」と私をにらみつけた。
「上が145,下が86.少し高めですけど、家で測る血圧が正常なら心配ないですよ」と、告げると
「ウン、こんなに高いことなかったよ」と初めて発言した。

「それじゃ、〇〇さん、落ち着いてますから、また〇か月後の予約を取りましょう。〇月〇日の〇〇時でいかがですか」
「ウン、いいよ」
「次回は血液検査しましょうか?」
「いや、要らない。血液は異常ないから。」
「そうですか、それでは、お薬は前回と同じ内容で〇日分お出ししておきますね」
「ウン」
私は次回の予約票をプリンターで打ち出して、〇〇さんに手渡した。
「次回の予約票になりますね。それじゃお大事にしてください」
「ウン」

ジャイアンはそのまま、診察室を後にした。
もう少し言葉があってもいいと思う。
本当はいい人なのかもしれないが、見かけでずいぶん損をしているのではないだろうか。