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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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性格がちょっと・・・ その1




 人間、顔かたちが違うように、性格も千差万別だ。
いい人も、そうでない人もいる。

外来診療していると、身体は丈夫だが、性格がふつうと違うと思われる方が時折いらっしゃる。
今日はその日だった。

午前中、5番目の人。
70代半ばの男性と、その妻。二人とも高血圧で薬を飲んでいる。

失礼ながら、男性は腕白坊主がそのまま爺さんになったような人だ。(あだ名はジャイアン、としよう)

ピンポーンと表示板の受付番号が変わって、診察室に入ってくる。
「おはようございます。」(ヤブ田)
ジャイアンは、不機嫌そうな顔で、
「・・・・」と近づいてくる。

「〇〇さん、おはようございます。お変わりありませんか?」
私をにらむようにして(もともとそういう顔なのかもしれないが)、
「べつに・・・」
「ああ、そうですか、それは結構ですね。それでは診察させていただきます。」
ジャイアンは、腕を出した。
私がいつも最初に脈を診るのを知っている。その点は評価できる。

脈を診た後、心臓の音を聴き、呼吸の音を聴いて一通り診察を終えた。特に異常はなかった。