「オオカミ婆ちゃん」なのか
この時間、安息日の人が多いのか、イスラム教徒がいるのか、そこそこの混み具合である。
突き出しに、どういうわけか、天津甘栗が2個出た。この店の看板なのだろうか。
ランチメニューは寿司とそばのコンビネーションでボリューム感がある。
それに決めた。
寿司は、寿司屋のように握りたてとはいかず、冷蔵庫に保存されたのが待ちくたびれて出てきたようだったが、ソバは桜の香りがしておいしかった。
ま、どこでもそうかもしれないが、茶わん蒸しが一番無難で美味しかったのである。
店内は大混雑ではなかったので、食後のコーヒーを頼んだ。
これも入れたてではないが、何度か温め直したようで、しっかりした味わいだった。
コーヒーを啜りながら、ヤブ田は静かに、最近の自分の行いを振り返り、明日への意欲を確認して席を立った。
リーズナブルなプライスである。
コスパの良さに満足してヤブ田は帰路に就いたのであった。
〈次回の安息日には、あのイタリアンの店がオープンかクローズか必ず確認しておこう〉
作品名:「オオカミ婆ちゃん」なのか 作家名:ヤブ田玄白