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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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 長男が言った。
「じゃ、叔父さん、すぐ検査か。明日は日曜だけど、皆そろって病院だね」
「ウン、そうだな。とりあえず皆マスクして、アルコールで消毒して、ひとまず解散だ。潜伏期間は3日らしいから、おとなしくしてるんだぞ。」

 赤ちゃんが出来た次男は特に心配そうだった。心なしか顔色が青い。
「皆、濃厚接触者になるんだろ、お母さんもかな。10日間はどこにも出られないんだよね、会社も休まなきゃならないし、エライことになった。」

 楽しいはずの家庭麻雀大会も、兄の発熱で、一瞬のうちに暗転した。
天国から地獄とはまさにこのことだ。

 5人の中で医療関係者は私一人。
皆をリードしなければならない。と思うと、いつも呑気なヤブ田も緊張の面持ちだ。

 明朝、病院に行くことにして、今晩は泊めてもらうことにした。
〈ピンチだけど、今夜一晩ぐっすり眠ることだ〉私は覚悟を決めて、客間に敷いてもらった布団に潜り込んだ。

 翌朝5時に目覚めた。いつもより1時間早い。緊張のためだろう。
7時前に兄が寝室から出てきた。