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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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「兄さん、具合はどう?」恐る恐るきいた。
兄は答えた。
「アア、一晩寝たらすっかりよくなったみたいだよ。熱も36度台だし、のどの痛みも、昨夜飲んだブルフェンとかいう、お前からもらった薬でずいぶんよくなったよ」と、晴れ晴れした顔だった。

 意外な展開に驚いた。〈エッ、ほんとか。一晩でよくなるなんてびっくりだな。ともかくよかった!これで何事もなく仕事もできるし、猫にも会える〉

 用心のため、皆には釘を刺しておいた。
「コロナはそんな急には治らないぞ。もう一日ぐらい様子見ないと、また熱が出るかもしれないから、明日一日静かにしてるんだね」
皆、医者のいう事だから、信用して聞いていた。

 その日一日、兄貴は発熱せず、のどの症状も消失して、ほんとに治ったようだった。
どうやら無事だったらしい。ラッキーである。

 あの熱はいったい何だったのだろう?
おそらく単なる風邪だったのだろう。
それとも、また役満をツモリそうになって、身体が一時的に熱を発したのだろうか?それは不明である。