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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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「私、あまりおやつは食べませんし、脂身は好きじゃないです」
私が黙って考えていると、ご主人が言った。

「ほんとに不思議なんですよ。ずっと私と同じもの食べてるんですけどね。私はこんなに痩せてて、冬も寒くて大変なんですけど、女房は太ってて脂肪の数値も異常なんですね。どうしてなんでしょうか?」
〈いつも同じもの食べてると言いますけどね。奥さんを甘く見ちゃいけない。ご主人のいないところで、たっぷり栄養取っているかもしれないよ。〉

 私はこういう時のとっておきの言葉で、
「食事の影響のほかに、体質がありますよね。生まれ持っての身体の代謝といいますか・・・・」
「なるほど、そういえば、女房の両親は両方体格がよくて、たしか、コレステロールだか、中性脂肪とかの薬を飲んでますね」
 私はそうだろう、と得意になって、
「やはり体質は似ることが多いんですよ。食事と運動不足だけではないんですね」

 主人はまた発言した。
「センセイ、血圧なんですけど、これ見てください」
奥さんの記録した血圧手帳を見せてくれた。
朝の起床後の血圧が上150ぐらい、下も90を超えることが多い。
高血圧と言ってもいい。その旨、二人に告げると、板前さんは、言った。

「センセイ、お願いしますから、血圧の薬、出してくれますか?それと中性脂肪の薬っていうのはあるんでしょうか?」
「わかりました。血圧は薬を出しておきますよ。1か月したらまた来てください。それと、中性脂肪を下げる薬もありますから、出しておきます。でも、脂肪は薬も大事ですけど、日ごろの食生活、アルコール制限、運動がもっと大切でしょうね」と付け加えた。