「オオカミ婆ちゃん」なのか
愛妻家なのか?
木曜日の外来診療は午前中が忙しい。
お昼ご飯直前に来たのは、2か月1回来る60代後半の女性だった。
高コレステロール血症と糖尿病だが、最近血圧も高いらしい。
前回来た時、自宅の血圧計で測定するように血圧手帳をお渡しした。
診察室に呼び込むと、トントンとノックがあって、入ってきた。
女性と思ったが、男性だった。その後に続いて患者さんが入ってきた。
こちらは女性である。先に入ってきたのは、彼女のご主人だった。
ご主人はとても愛想のいい人で、
「センセイ、いつも家内がたいへんお世話になっております。今日は私も一緒にいいでしょうか?」と言った。
私は「どうぞ、どうぞ、その小さな椅子におかけください」と促した。
一見、革ジャンパーで威勢のいい感じで、髪は短く刈り上げて、ラッシャー板前さんのようだった。(注:ラッシャー板前さんは、土曜日午前中のテレ朝の旅番組「旅サラダ」に出るタレント)
検査結果をプリントアウトして説明する。
コレステロール値は薬でよくなっていたが、糖尿の数値と中性脂肪が高かった。中性脂肪は朝ご飯の影響もあるだろうが、それにしてもかなり高い。500近くあった。
作品名:「オオカミ婆ちゃん」なのか 作家名:ヤブ田玄白