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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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「あら、かわいい!」と彼女は目を向けた。
「猫、大丈夫ですか?アレルギーとかないですか?」と訊ねてみた。
「ええ、大丈夫ですよ。私も飼ってるんです、猫」
「そうですか。よかった。」

 彼女はしばらく猫を見ていたが、
「お名前は何というんですか?」と聞いた。
「はい、〇〇〇です」と答えると、
「へえ、可愛いですね。うちのは〇〇〇というんです」
「〇〇〇ちゃんと、〇〇〇ちゃん、似てますね」私は何となく嬉しくて、声が弾んだ。彼女も調子が出てきたのか、付け加えた。

「そうですね、似てますね。うちのは実家で飼ってるんですけど、庭に親猫が産み落としたのを拾って育てたんですよ」
「そうなんですか、うちのも元は野良なんですよ。自転車にひかれて動けなくなっていたのを、近所の人が動物病院に連れて行って・・・・・」私は猫の歴史を話して聞かせた。

 彼女は動物が好きなようだった。
ペット好きの人どうしだと話が弾んで、互いの距離がぐんと縮まるのだ。
私たちは猫を足掛かりに親しみを分かち合った。

 私はもう少し猫について語り合いたかったが、ちょうど1時間ぐらいたったころ、彼女は「相続と贈与のしおり」という簡単なパンフレットを置いて帰った。