「オオカミ婆ちゃん」なのか
相続は難しい
月曜日は家で仕事をする日だ。
仕事と言っても大した事はしない。
手紙を書いたり、猫のエサの買い出し程度だ。
朝食の後、シックスパッド(Sixpad)に両足を乗せていると、約束の10時過ぎに、玄関のピンポーンが鳴った。
(注:シックスパッドとは、高齢でエベレスト登頂に成功した、三浦雄一郎氏が広告塔の健康器具。電気刺激で足裏、脹脛の筋肉を鍛える。ヤブ田も105歳を越えて、エスカレーターに乗れたら、広告塔になれるかもしれない)
近隣の銀行から、渉外課の若い女性が来てくれた。
彼女は若手だが有望な人材で、相続についても知識があるらしい
母もいつの間にか103歳になった。もう準備しなければならない。
遺産相続の事前相談である。
預金、不動産、株式などおおよそのことを伝えて、相続財産がどのぐらいか相続税がどのぐらいか、教えてもらうのだ。
彼女は眼鏡をかけ、メモを取り、首をひねり、時々ため息をついていたが、ようやく口を開いた。
作品名:「オオカミ婆ちゃん」なのか 作家名:ヤブ田玄白